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◇日  時: 平成17年2月28日(月)15:00〜16:30
◇場  所: 工学部C3−302
◇題  目: 「エネルギー問題について」
 
まず、先生は恩師赤川浩爾先生の最終 講義と同じ場所で講義できる喜びを述べられた後, 1972年に川崎重工から大學に戻られ,爾来32年間にわたった研究・活動の成果を振りかえられた。
聴講生は 約百人であったが,学生から古稀を過ぎた幅広い年代にわたっていることに配慮されたのか, 「本日の講義内容は専門的な内容でなく,分かりやすい内容にする」とのコメントで講義を始められた。 講義の概要は以下の通りであった:
 “46億年まえの地球誕生から化石燃料の生成,ついで人類が文明とともに燃料を使用するようになったが,18世 紀以降,科学技術の発展によってその消費量が飛躍的に増加した。 1712年石炭炭鉱で,排水ポンプの動力とし てニユーコメンのエンジンが開発されたが,この効率を飛躍的に向上させたのがJ.ワットである。 このエン ジンによって紡績・汽車・船舶が機械化され,それが産業革命を呼び,現在の工業化社会へと発展してきた。
燃料の消費増大は,人口の増加もあり飛躍的に伸びているが,その燃焼によりCO2の発生量も18世紀に比し ほぼ60ppm多い340ppmになっている。 これによって地球温暖化が進み,最近の異常気象多発の一因にもなって いる。 現在の世界の人口は64億人であるが,21世紀中ごろには80億人を超えると予想され,このま ま進むと地球環境は破壊され,憂慮すべき事態になろう。 これへの対応として京都議定書が発効した。 米国,中国の不参加等の問題はあるが,新エネルギーの開発(風力・太陽熱・地熱・バイオマス発電等), コージェネ,複合エネルギーネットワークシステム開発等によって更なる温暖ガス抑制の技術開発を強力に 進めるべきである

 これらに関してご自分の研究が生かされ,将来の宇宙発電システムに関与されたことを紹介された。  最後に,ご令嬢・女子学生から花束が贈呈され,感謝一杯の拍手で終講した。
引き続き催された懇親会は赤川名誉教授の乾杯で始まり,女子学生の参加もあって大いに盛り上がった。
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