KTCM「先輩は語る」講演会(概要報告)
併催:坂口忠司研究奨励賞受賞者の成果発表

日 時:平成17年6月8日(水)午前10時40分〜12時10分
場 所:工学部C3−302教室
司 会:冨田佳宏教授(講演部会長)

講 演 会
講演題目 : ヘリコプタ開発/製造における機械系技術
   者の役割
講師 : 岡田 登 氏(三菱重工業株式会社名古屋航空
   宇宙シ ステム製作所 ヘリコプタ技術部基礎設計課主
   任)
講師略歴
   ・平成2年3月 神戸大学工学部機械工学科卒業
   ・平成4年3月 神戸大学大学院工学研究科修了
   ・平成4年4月 三菱重工業株式会社入社。  現在までヘ
     リコプタ開発チームに所属
講演内容
    航空機に代表される工業製品を開発/製造するためには,当該工業製品の構成を示す図面作成や, 性能,特性,強度等の計算・解析を行う以外に,製品企画,研究/試験,作業計画立案/管理,生産設計,品質管理及びアフターサービス という多様な技術活動を必要とし,これら全ての活動項目において機械系技術者が活躍するフィールドが存在すること,および多様な技術活 動の一例として,講演者の担当業務であるヘリコプタ開発における製品企画や作業計画立案/管理業務内容が紹介された。
   また,これら実務経験を通じて,機械工学科で学んだ材料力学などの基礎科目の知識,卒業論文/修士論文における問題解決経験が大いに 役立っていることや,自らが設計した内容を広く理解してもらうためにはコミュニケーション能力や,人間性を高める努力も重要である等, 講演者のこれまでの経験に基づく考えが述べられた。

研 究 報 告
−「国際学会での研究発表を体験して」

    内田 真 君 (大学院自然科学研究科
    博士課程後期課程3年 冨田研究室)
2004年7月にポルトガルのマデイラにおいて開催された,計算力学から実験力学までの広範な力学分野をカバーする国際会議ICES’04に参加し,部分結晶ポリ マーのメゾ領域の変形挙動に関する研究“Computational Simulation of Mesoscopic Deformation Behavior of Semi-Crystalline Polymer”を発表した。 「結晶相と非晶相に対する独自の構成式と,均質化法を用いたマルチスケールモデルの構築,ならびにそれによる力学特性の評価を目指した研究」の成果につい て報告したが,関連の研究がこれまでになかったこともあり,注目を浴びた,とのことであった.
大規模な学会でもあり,多くの関連分野の研究者との交流 もできたそうであり,講演発表に対する援助に対して謝意を述べられた.<KTCM 坂口研究奨励賞受賞>