KTCM「先輩は語る」講演会(概要報告)
併催:坂口忠司研究奨励賞受賞者の成果発表

日 時:平成18年6月9日(金)午前10時40分〜12時00分
場 所:工学部LR−501教室
司 会:冨田佳宏教授(講演部会長)

講 演 会
講演題目 : 「機械の皆さん,LSI業界は如何ですか」
講      師 : 高田 英裕 氏 : (潟泣lサステクノロジ 製品技術本部
講師略歴 :
      ・1982年3月 神戸大学工学部生産機械工学科卒業
      ・1984年3月 神戸大学大学院工学研究科修士課程修了
      ・1984年4月 三菱電機貝SI研究所入社
      ・2002年3月 博士(工学)神戸大学
      ・2003年4月 潟泣lサステクノロジに転籍
            現在神戸大学電氣電子工学科非常勤講師
講演内容
    22年間にわたるLSIチップの開発過程をIntel社のチップと比較しながら,その性能の推移および各時期における技術課題とその 解決策,ならびに開発指針の変遷について詳しく紹介された。
  また,近年の日本におけるLSI関連企業の再編,事業内容の変遷 の中で,講師が最先端のLSIを開発し続けてきた経緯を通して,LSI開発の楽しさと苦労について語られた。
  さらに,世界におけ る日本のLSI産業の位置づけ,今後の展望について述べられ,日本の持つLSI産業の技術力が今後の日本の発展の原動力と成り得 ること,および,その実現のためには先端LSIにおける技術的課題の克服はもとより、社会システムに関わる問題も存在するこ とが述べられた。
  最後に,参加した学生に対して「感謝の気持ちを忘れず,学生時代に幅広い知識を得ること,大学での研究に おいてはプロセスを大切にすることが重要である」と述べられ,そのような人材を社会が求めていると激励の言葉をかけられた。

研 究 報 告(坂口忠司研究奨励賞受賞者による成果発表)
@「大学での研究と海外発表について」

    森下 明範 君 (大阪機工株式会社 : 白瀬研究室出身)
2005年6月20日〜24日にロシアのサンクトペテルブルグにおいて行われたThe 8th International Symposium on Advances in Abrasive Technology(ISAAT2005: 第8回国際先端砥粒加工シンポジウム)に参加し,加工システムに関する"A New Architecture of Tool Path Generation for Five-axis Control Machining"と題する研究発表を行った旨の報告がなされた。また,当該研究の概要,会議の概要・規模,会場のようす,ならびに開催地であるサンク トペテルブルグについて紹介された。最後に,今回の海外発表参加を支援したKTC機械クラブに対し謝意が述べられた。
A「米国機械学会夏季流体工学会議に参加して」
    林 公祐 君 (大学院自然科学研究科 : 博士課程後期課程3年 冨山研究室)
2005年6月19日〜23日にアメリカ合衆国ヒューストンで開催されたASME Fluid Engineering Conference(ASME-FED 2005:米国機械学会夏季流体工学会議) において発表された流体数値計算に関する研究"A volume tracking method based on advanced subgrid counting algorithm"について説明された後, 会議の概要・規模,ならびに開催地であるヒューストン滞在中のエピソードが報告された。また,会議出席により得られた経験の重要性が述べられ, 会議出席を援助したKTC機械クラブに対して謝意が述べられた。最後に,学生からの質問に応じ,学部学生のころから英語の勉強をしておく重要性が述べら れた。