平成23年度 機械工学専攻・機械クラブ共催
三菱重工業轄mサ製作所」見学(報告)

 
毎年1回開催されている機械クラブの見学会が去る9月28日に実施された。 今年は、三菱重工業轄mサ製作所を訪問し、ガスタービン組立工場、タービン翼加工工場など計4工場を見学させていただいた後、中村副統括(原動機事業本部 技師長)殿のご講演を頂いた。 本見学会は機械工学専攻との共催で実施しており、今回は教員・学生7人を含む、36人が参加した。
[報告者:見学部会 M(30) 尾野守]

高砂製作所の歴史、特長
  高砂製作所は昭和37年、神戸造船所の大容量発電機器を中心とする回転機械専門工場として操業を開始。
昭和39年に分離独立し、高砂製作所が誕生。発電用ガスタービン・蒸気タービン・水車、ポンプ、大型冷凍機などを生産されており、なかでも発電用ガスタービン分野では世界最高クラスの熱効率を達成。敷地内に製造部門及び実証試験設備(ガスタービン複合サイクル発電プラント)・高砂研究所が併設されていることも大きな強みとなっている。
工場見学
  @ガスタービン組立工場Aガスタービン翼加工工場B原子力タービン専用工場C大型冷凍機工場の4箇所を見学。いずれの工場も安全通路と作業通路が明確に区分され、5Sも行き届き、サンプル展示やパネル展示も見やすく配置。広い敷地内をバス移動で見学させて頂いた。

@ガスタービン組立工場:高砂製作所の南エリア(高砂西港近く)に新設された工場。前作業エリア、組立準備品エリア、組立エリアを区分することでJIT生産を実現。ガスタービン組立は3ステーションあり、各ステーションが1台/月の生産能力を有する。今回の見学では数十名の方が作業をされていたが、1/100mm単位の組立精度が要求される総組立では、数名の技術者が協業で作業されるとのこと。
Aガスタービン翼加工工場:タービン翼(動翼・静翼)が工場内で加工されているが、ガスタービンの燃焼器出口温度は1600℃級にもなることから、1段・2段翼は耐熱鋳鉄が用いられており、切削等の加工が困難で、研削・ワイヤーカットなどの加工方法が採用されている。加工後の耐高温酸化コーティング、耐熱コーティング(セラミックコーティング)も併せ、当工場で一貫生産されており、高砂製作所の手本となる工場、とのこと。
B原子力タービン専用工場:原子力用の部品は切削油やマーキングペンなどの仕様も詳細に規定されていることから、管理強化するために当加工工場が建設された。また、米国の大型タービン(74インチ)にも対応できるよう大型の加工設備が導入されている。現在は中国向けの部品が大部分を占めていた。
C大型冷凍機工場:年間600台の生産能力があり、国内シェアも50%以上。インバータを用いた可変速制御で効率向上を図るなど技術革新が進み、出荷前に客先立会の検査が出来るよう、試験エリアも充実している。
ご講演
  中村副統括(原動機事業本部 技師長)殿(PH)のご講演を拝聴。今後の開発方針として、以下4点を紹介して頂いた。
@ガス燃焼温度向上によるガスタービン効率向上:現在1600℃級まで開発でき、今後1700℃級を目指す
A石炭ガス化複合発電(IGCC):埋蔵量の多い石炭をガス化することでタービンの燃料に用いる方式の開発
BSOFC:固体燃料電池接続による効率向上(+10%)
C高炉ガスを用いた低カロリー燃料の発電
懇親会
  懇親会は高砂製作所社員クラブの集会所をお借りして開催。一昨年退任された神吉先生にもご参加頂いた。機械クラブ藪会長のご挨拶の後、見学会の話題、各人の近況など学生の方も交え、和気藹々と親交を深めることができた。懇親会の中でも、「ガスタービンには 大型部品組立/高精度加工/高温状況の耐熱鋼/流体解析 など、最新の機械工学技術が織り込まれていることに、非常に感銘を受けた。貴重な見学ありがとうございました。」 との感想・中村副統括(原動機事業本部 技師長)殿への謝辞が多く見られた。
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謝辞:以上の通り、平成23年度の機械クラブ見学会は関係各位のご協力のもと盛会裏に終了した。今回、お世話になりました三菱重工業高砂製作所の皆様に改めて、この場をお借りし深く感謝致します。