平成24年度KTCM「先輩は語る」講演会(概要報告)
併催:機械クラブ国際活動奨励賞受賞者の成果発表
神戸大学工学研究科プレミアムプログラム報告会

日 時:平成24年6月8日(金)8時50分〜10時20分
場 所:六甲ホール
司 会:白瀬 敬一 教授

講 演 会















講演題目 : 「日産リーフが走り出すまで 〜バッテリ開発と日産の取り組み」
講      師 : 木下 裕貴子 氏 
講師略歴 : 
・2007年 神戸大学大学院 博士課程前期課程 修了
・2007年 日産自動車株式会社 入社
・現在,EV技術開発本部 EVエネルギー開発部 バッテリ設計グループにてリーフのバッテリ開発に携わっている.
講演内容
日産自動車(株)は2010年12月に世界初の量産型電気自動車、リーフを販売しました。 電気自動車(EV)は、エンジン車とは異なる今までにない運転感覚を味わえ、EV特有の性能を持っています。 その中で、バッテリはEVの心臓とも言える大きな役割を担っています。 このバッテリ開発途中では、皆初めての経験が多く、量産型バッテリを作ることの難しさを感じながらも、各設計部署、実験部署、生産部署がチームとして取り組むことで販売まで辿り着くことができました。 このような日産では革新的な技術を生み出す仕組み造りとして、人づくりも行っています。 技術者として、社会人として、当たり前と思えることを当たり前に出来るよう、学生の皆さんにも日頃から意識を持って取り組んで欲しいと思います。

(ここをクリックすると講演内容の詳細をご覧いただけます。なお、本資料はWEB掲載用に抜粋したものであり、実際の講演資料とは異なります。)

機械クラブ国際活動奨励賞受賞者の成果発表
“IEEE MEMS 2012 - Paris, France”
   大森 英明 君(大学院工学研究科 博士課程前期課程2年)

私は平成24年1月29日から2月2日にかけてフランスのパリにて開催された「IEEE MEMS 2012 - Paris, France」に参加いたしました。この会議は近年急速な発展を遂げている、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の分野における国際会議であり、年に1度開催されております。今年度は、800人以上の参加者が世界各国から集い、300人以上の発表者がオーラルセッションとポスターセッションに分かれて発表が行われました。私は「Development of In-Situ SEM Nano Manipulation & MEMS-Based Testing System with Ultra-Precision Displacement Sensors for Nanomechanics of MWCNTs」という題目でポスター発表を行いました。私の研究では近年ナノデバイスへの応用が期待されている多層カーボンナノチューブに対する特性評価専用MEMSデバイスを開発し、同材料に対する高精度な単軸引張試験を実施し、その機械特性を得るとともに、多層CNTの段階的な破断プロセスを明らかにしました。発表当日は多くの参加者が私のポスターの前で立ち止まり、説明を聞いてくれ、また積極的に質問をぶつけてくれたことで活発な議論を行うことができました。私自身、英語での発表は始めての経験であったので不安が大きかったですが、熱心に伝えれば相手も理解してくれ、相手を納得させるような説明ができたときには喜びを感じました。また会議を通して様々な最先端の研究や海外の研究者の姿勢に触れられたことは私にとって非常に貴重な体験となり、自分の研究で更なる成果を挙げてやろうというモチベーションを得ることができました。

神戸大学工学研究科プレミアムプログラム報告会
   栗本 遼 君(大学院工学研究科 博士課程後期課程2年)

私は工学研究科のプレミアムプログラムを利用して、2011年9月から2011年12月までの3ヶ月間イタリアのピサ大学で研究を行いました。 プレミアムプログラムとは、工学研究科が将来我が国の最先端技術を担うリーダーとなれるような国際感覚に富んだ研究者を養成するために、博士後期課程の学生に全面的に支援を行い、海外の研究機関に派遣するというものです。 私は当該研究機関において、液体中の気泡に作用する電場及び重力の影響を調査するための数値シミュレーションプログラムの開発に尽力しました。 英語でコミュニケーションをとりながら研究及び日常生活を送ることは渡航前に予想していたよりも難しいものでしたし、日本では中々見聞きしないイタリア語には戸惑うことばかりでした。 しかし研究室の人たちは皆親切な人ばかりで、彼らの大きなサポートもあり充実した生活を送ることができ、良い研究成果を得ることができました。 また、イタリアの文化や生活習慣を知ることができ、日本との違いや類似点を実感しました。 本プログラムを通して、海外での研究を行う機会を与えてくださった神戸大学大学院工学研究科に深く感謝致します。