平成26年度 機械工学専攻・機械クラブ共催 見学会(報告)
1.先端医療センター 2.「京」コンピュータ 
3.神戸大学統合研究拠点(π−CAVE)

 
毎年1回開催されている機械クラブの見学会が去る9月17日に実施された。 本年度は、@先端医療センター、A「京」コンピュータ、B神戸大学統合研究拠点(π−CAVE)を見学させて頂いた。 本見学会は機械工学専攻との共催で実施しており、今回は教員・学生8名を含む、43名が参加した。



1.先端医療センター:先端医療振興財団 山口 舞 様
  神戸医療産業都市は、ポートアイランド南西に広がるエリアにある。 このエリアは、当初娯楽(アミューズメント)エリアとして開発する予定で、 マスコミ向け発表するはずだったちょうどその日に阪神淡路大震災が発生、 開発方針を医療産業に見直したもの。現在約280の医療関係企業が当エリアに進出している。

薬や医療機器の開発期間は、基礎研究〜治験〜承認で10年程度要するが、先端医療振興財団では、 基礎研究から臨床研究さらには実用化までを一貫して支援することで、開発期間を短縮する体制を整えている。

基礎研究〜臨床研究・治験は今回見学した先端医療センター、臨床研究・治験は臨床研究情報センター、 実用化はクラスター推進センターが、それぞれ支援を担当している。先端医療振興財団は、 「個人毎に高い精度で発症予測あるいは正確な発症前診断を行い、 病気の症状や重大な組織の障害が起こる前の適切な時期に治療的介入を実施して発症を防止するか遅らせる」という 「先制医療」についても研究を進めている。 先端医療センターで行われている再生医療として、 @iPS細胞を用いた網膜の再生治療、 A角膜の再生治療(口腔粘膜上皮からの幹細胞利用)、 B下肢血管の再生治療C難治性骨折の再生治療、 D膝軟骨の再生治療、 E鼓膜の再生治療、 F脳梗塞に対する細胞治療  など多岐に渡る内容を紹介された。 Aは先制医療として治療が可能。

質疑応答では、再生医療の提供意義などについての質問もあり、真剣な議論で、より理解を深めることができた。

   
  神戸キメックセンタービル展望フロア       講演風景(研修室にて)  先端医療センター玄関前にて


2.京コンピュータ:神戸大学 計算科学教育センター長 賀谷 信幸 教授・工学博士
  「二番じゃダメなんですか?」の発言で知名度が向上した、京コンピュータを見学。 10ペタフロップスという、当時世界最高速のコンピュータを理研と富士通で開発した(現在は世界第4位の性能)。 水冷システムを利用したコンピュータが864ユニット、地上3Fの50×60mの無柱空間に配置されている。 直下(2F)は、空調機室。 ユニット毎に状況を示すランプが設置され、異常を示す橙灯(正常は緑)が点灯すると、24H以内に復旧作業が行われる。 現在は、医療や気候(台風、津波など)の開発・シミュレーション等に利用されている(注)。 なお、防災対策としては @免震装置を用いた免震構造を採用し、耐震グレードはS級(震度6強でも主要機能は確保)、 Aこのエリアの南海トラフ沖津波予測は標高4m程度で、エリアの標高(6〜7m)より低く、津波の被害は少ないとのこと。 今後、ヘクサ級のコンピュータを開発していく予定。

注)気象予測は、気象庁所有のスーパーコンピュータを用いており、京は気象予報等には用いられていない。

   
        計算科学研究機構建屋         建屋入り口での説明         京コンピュータの前にて


                    集合写真(名前付き)(画像をクリックすると大きく表示されます)


3.神戸大学統合研究拠点(π−CAVE):神戸大学 計算科学教育センター長 賀谷 信幸 教授・工学博士
  神戸大学統合研究拠点は、「京コンピュータ」駅前にある。 京コンピュータと同一のアーキテクチャを持つスーパーコンピュータ「π−コンピュータ」を用いて大規模シミュレーションの演習を行う施設。 今回、様々なシミュレーションを体験させて頂いたのは、建屋2Fに本年8月新設されたセミナー室(Outreach用3Dプロジェクタを設置)で、今回が初披露とのこと。 海辺の町を津波が襲うシミュレーションでは、海水が町中に入っていき、引き返す挙動をリアルに表現。 また、ESA(欧州宇宙局)より入手された火星のデータを用いて、地表を3Dで表現するものや、宇宙空間をさまよう隕石もあり。 雨雲と雷では、京阪神地区における雨雲レーダーの実データと、雷の発生の観察結果を統合することで、雨雲と雷の発生タイミングを表現、今後の研究に応用できる技術を蓄積されていた。 開発されている賀谷センター長自らご説明頂き、短時間で様々な体験を通して、理解することができた。

   
      セミナー室での御講演           セミナー室での御講演     神戸大学統合研究拠点前にて


懇親会
  懇親会はポートピアホテル30階の「プレンデトワール」にて開催、34名のご参加を頂いた。

機械クラブ冨田会長のご挨拶の後、見学会の話題、各人の近況など、和気藹々と親交を深めることができた。




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以上の通り、平成26年度の機械クラブ見学会は関係各位のご協力のもと盛会裏に終了した。 今回、お世話になりました先端医療センターの皆様、賀谷センター長 様に改めて、この場をお借りし深く感謝致します。