平成26年度機械クラブ 六甲祭協賛講演会(報告)
 開催年月日 : 平成26年11月8日(土)       
場所 : 六甲台本館 第I学舎 2階 206教室 

恒例の六甲祭協賛講演会が開催されました。 今回は再び六甲台での開催となり、講演会は六甲台本館 第I学舎で行われました。 例年通り、田中克志先生の講演会に加えて、学生の自主活動であるレスキューロボット、学生フォーミュラの活動についてそれぞれ友近君、中尾君から報告がありました。

                 
◆講演会…「機械工学先進研究」紹介 (司会:白瀬 敬一 教授)
○講演題目:省エネと耐熱材料
○講   師: 田中 克志 教授 (工学研究科機械工学専攻)
○講演要旨
田中克志教授が取り組んでおられる耐熱材料の研究開発の最前線について、 日本のエネルギー供給状況の解説から始めて、省エネの観点から分かりやすくご講演をいただいた。

我が国の電力供給状況は、2011年の東日本大震災以降、原子力発電による電力供給が零に至り、火力発電の比率が高まりつつある。 この状況において、再生可能エネルギー普及の現況と消費エネルギー削減効果が特に大きい火力発電所のような大型プラントの高効率化について解説がなされた。 特に、最新の火力発電所では、コンバインドサイクルと呼ばれるガスタービン発電と排熱利用の蒸気タービン発電による複合発電の採用が進み、 最新の発電シムテムの実現に新規耐熱材料開発が中心的な役割を果たしていることが詳しく述べられた。

新規耐熱材料の開発では、材料組成の配合だけでなく、結晶構造および結晶粒界の制御、 さらには結晶格子中の特異構造の制御がキーテクノロジーとなることを図や表を用いて明快にご説明いただいた。 さらに、コンピュータシミュレーションと材料実験データの蓄積が、今後の耐熱材料の開発において非常に大きな役割を果たすことをご説明いただいた。 最後に、研究室で現在進められている様々な耐熱材料の研究についてご紹介をいただいた。
(報告者M(38)安達和彦)
                       

前列(左から) 田中教授 進藤先生 (16)冨田  2列目 (18)平田 (2)杉浦 (36)浅野
3列目 (9)小澤 (9)永島 (1)山村 (12)光田 (12)西下
4列目 (10)寺井 (5)上原  5列目 (38)安達 友近 中尾

◆「学生の自主活動」報告 (司会:白瀬 敬一 教授)
◇レスキューロボットチーム(報告者:友近 圭汰 君)
神戸大学ロボット研究会「六甲おろし」は、8月9日(土)と11日(日)にデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)で開催された、 第14回レスキューロボットコンテストに参加しました。 昨年あがった改善点も考慮にいれ、今年は「確実で迅速な救助」というコンセプトのもと、実際のレスキューを想定した3機のロボットを製作しました。

1号機「アルゴル」は、人を抱きかかえて運ぶイメージから新たに開発した指型救助アームを用いて、平地や狭い場所での要救助者を救助します。 2号機「ミルファク」は、自由に傾きを変えられるベルトコンベア式のベッドで、高所や傾いた場所での救助を行い、 3号機「バーゼル」は1・2号機が対応できない状況に対処できるようアタッチメント機能を持たせました。 各機体の機能から分かるように、確実性を高めるためにロボットの役割をあらかじめ決めて設計・製作を行いました。

加えて、ヒューマンエラーの可能性を低減するために、操作PC画面上にアームの動きをリアルタイムで表示するシステムを新たに開発しコンテストに臨みました。

その結果として、総合5位で「複数のロボットで協力しながら効率的に救助を行った」ことが評価され“ベストチームワーク賞”を受賞することができました。

KTCMの皆様には、日頃より我々の活動にご理解・ご援助いただき、ありがとうございます。今年度の結果を糧に、来年は更なる成長を目指して活動していきますので、これからも温かいご声援よろしくお願いします。

◇学生フォーミュラチーム(報告者:中尾 亮太 君)
私達神戸大学学生フォーミュラチームFORTEKは、2014年9月初旬に開催されました、第12回全日本学生フォーミュラ大会に参戦致しました。

私達FORTEKは2003年より活動を開始し、皆様の手厚いご支援によって本年まで活動を続けることが出来ました。 昨年度は「総合成績6以上」を掲げて活動を進めてまいりましたが、大会中の耐久走行競技にてエンジンのオーバーヒートのため残り1週でリタイアとなり、 総合32位と非常に悔しい結果に終わってしまいました.

そこで今年度は、その悔しさをバネに、「総合成績3位以上」を目標に掲げました。 また、今年度はマシンの開発コンセプトを“Fun to Ride”とし、限界性能と操作性との高い領域での両立を目指してマシンの基本パッケージングから見直して参りました。 しかし、工作技術センター移転に伴う活動場所の不自由から、昨年度よりもマシンの完成が遅れてしまい練習走行が不十分な状態で大会本番に臨むこととなりました。

大会本番では、静的競技では事前の準備や設計への論理的なアプローチが評価され、昨年度よりも良い成果を収めることが出来ました。 しかし、動的競技では事前の練習不足や雨天での出走が祟り上位陣に大きく水を開けられてしまい。 総合成績では17位と昨年度を上回ることは出来ましたが、目標には及ばず悔しい結果となりました。

今年度の結果から、早期シェイクダウンによって練習時間とトラブル対応の時間を確保することが非常に重要だと感じました。 例年の傾向から、近年は静的競技で着実に得点を獲得できるようになって来ており、動的競技で点数を伸ばせれば安定して高い順位を獲得できるため、 メンバー全員が目標に向け全力で邁進して参ります。

最後に、チーム発足当時より多大なるご支援を頂いておりますKTCM 様にチームメンバー一同心から感謝申し上げます。今後とも私たち神戸大学学生フォーミュラチームFORTEK をよろしくお願い致します。