平成28年度KTCM「先輩は語る」講演会(報告)
併催:機械クラブ国際活動奨励賞報告会・学生自主活動支援金贈呈

日 時:平成28年5月11日(水)8時50分〜10時20分
場 所:農学部C棟大教室C101
司 会:白瀬 敬一 教授

講 演 会















講演題目 : 「新幹線用ディスクブレーキ装置の設計開発について」
講      師 : 阪山 由衣子 氏 (M56)(新日鐵住金株式会社) 

略      歴
2008年3月 神戸大学工学部機械工学科卒業
2010年3月 神戸大学大学院工学研究科修士課程修了
2010年4月 旧住友金属工業株式会社入社
2012年10月 新日鐵住金株式会社発足
現在 技術開発本部 鉄鋼研究所 交通産機品研究部 所属

講演内容
講演の初めに阪山氏のご略歴が紹介された.阪山氏は現在,新日鐵住金株式会社技術開発本部で,新幹線用ディスクブレーキ装置の開発に携わっていることが紹介された.続けて新日鐵住金株式会社の事業全般に関する説明があった.新日鐵住金株式会社でのものづくりが我々の身近な生活を豊かにし,社会に大きく貢献していることが紹介された.

その後,阪山氏が現在開発を担当している新幹線用ディスクブレーキ装置開発について,講演が始まった.新幹線の高速化とディスクブレーキ装置開発の歴史の説明に続き,ディスクブレーキ装置が新幹線の高速化や快適性の向上に大きく貢献しているとの解説いただいた.また,装置開発において,大学で学んだ学問を実践することの難しさを自らの経験を踏まえてお話しいただいた.装置開発では,一つの分野だけの知識ではなく,材料力学や機械力学,熱力学,流体力学などの基礎学問を基本として,その応用力が問われることをお話しいただいた.後輩で新入生の1回生にとっては,これから学ぶ学問の必要性を認識できたのではないだろうか.

最後に,後輩に向けてのメッセージをお話しいただいた.大学では,多くの人と関わって,多様性を理解することや,幅広い学問の知識を深めることが大事であり,その経験が将来社会で活躍するための財産となるとのことだった.自分が疑問に思ったことをそのままにせずに,確実に解決して自分の知識にしてほしいとのことだった.

ご講演の後には,学生から会社の環境についての質問があった.回答は,多様な専門知識を持った人がモノづくりに携わっており,わからないことがあったときに,専門の人に相談できる環境があり,非常によい環境であるとのことだった.

本講演が学生に大変刺激を与えたものだったに違いない.(M56 西田)



機械クラブ国際活動奨励賞報告会

平成27年度受賞者(所属学年は受賞当時)
   船橋 駿斗 君(大学院工学研究科 博士課程前期課程1年)

   石村 尚平 君(大学院工学研究科 博士課程前期課程2年)

   高須賀 裕介 君(大学院工学研究科 博士課程前期課程2年)

「先輩は語る講演会」とともに機械クラブ国際活動奨励賞報告会が併催された.まず,船橋君から参加した学会の様子や,学会にて発表した研究内容の紹介が行われた.石村君と高須賀君は,入社後の用務で報告会に参加できなかったため,両名から預かったスライドの紹介が白瀬教授により行われた.いずれの報告でも,国際会議の雰囲気を伝えるための工夫があり,また,学部・修士と努力することにより国際会議での発表のチャンスがつかめる,という点が強調されていた.学生生活を楽しみながら,弛まぬ努力を,という先輩学生たちからのメッセージであった.(M56 西田)


学生自主活動支援金贈呈

最後に学生自主活動支援金贈呈が行われた.機械クラブから学生フォーミュラチーム(FORTEK)およびレスキューロボットチーム(六甲おろし)に対して,支援金が贈呈された. 各代表からは皆様の期待に応えられるよう,より一層の努力を重ねるとの抱負を語っていただいた.(M56 西田) (写真左:学生フォーミュラチーム,右:レスキューロボットチーム)