平成29年度KTCM「先輩は語る」講演会(報告)
併催:機械クラブ国際活動奨励賞報告会・学生自主活動支援金贈呈

日 時:平成29年5月10日(水)8時50分〜10時20分
場 所:神戸大学瀧川記念学術交流館 2F大会議室
司 会:白瀬 敬一 教授

講 演 会















講演題目 : 「航空機の開発設計と維持設計」
講      師 : 船津 竹史 氏 (M55)(三菱重工業株式会社)  

略      歴
2007年3月 神戸大学工学部機械工学科卒業
2009年3月 神戸大学大学院工学研究科修士課程修了
2009年4月 三菱重工業株式会社入社
現在 民間機セグメント 民間機事業部 技術部 設計一課 所属

講演内容
講演の初めに船津氏のご略歴が紹介された.船津氏は現在,三菱重工業株式会社民間機セグメント民間機事業部にて,民間旅客機の維持設計や運用中に関わるトラブル対応に携わっていることが紹介された.続けて所属部署の業務内容に関する説明をいただいた.船津氏が所属する民間機セグメント民間機事業部では,主に民間旅客機の設計から製造,製造後の設計改善,量産におけるトラブルや運用中のトラブル対応まで航空機の上流から下流までを携わっていることを解説いただいた. その後,民間旅客機の開発設計について,説明をいただいた.民間旅客機における開発設計とは,安全性基準に適合することを証明し,承認を得ることであることを解説いただいた.安全を最優先した設計が求められていることが強調された.また,船津氏が携わった運用中のトラブル対応についての経験をお話しいただいた.運用中のトラブルが発生した原因を追究する際に,原因と考えられる箇所を一つ一つ調査したが問題が見つからなかったときに,問題を俯瞰して見ることで解決できた経験をお話しいただいた.問題を局所的にとらえるのではなく,全体像を見ることの重要性を解説いただいた.

最後に,後輩の1回生に向けてのメッセージをお話しいただいた.技術者として重要なことは専門性とコミュニケーション力であることを強調された.日頃の授業では何に役立つのだろうかと疑問に思うこともあるかもしれないが,内容ではなくとも習ったということが記憶にあれば,調べることができるので,日頃の授業を大切にしてほしいと伝えられた.また,自分の考えていることを正しく相手に伝えられるようコミュニケーション力も培ってほしいと伝えられた.

ご講演の後には,学生から会社の事業についての質問があった.民間用の航空機と軍事関連の航空機の違いについての回答は,民間用の航空機は安全性を最優先に機体を設計するのに対し,軍事関連の航空機は帰還性を最優先に機体を設計するとのことだった.このように造るものによって何を最優先に設計するかが重要である.
本講演が学生に大変刺激を与えたものだったに違いない.(M56 西田)



機械クラブ国際活動奨励賞報告会

平成28年度受賞者(所属学年は受賞当時)
   石田 昂平 君(大学院工学研究科 博士課程前期課程1年,写真左)

   長尾 淳志 君(大学院工学研究科 博士課程前期課程1年,写真右)

   下門 輝也 君(大学院工学研究科 博士課程前期課程2年)

   中西 巧 君(大学院工学研究科 博士課程前期課程2年)

「先輩は語る講演会」とともに機械クラブ国際活動奨励賞報告会が併催された.まず,石田君,長尾君から参加した学会の様子や,学会にて発表した研究内容の紹介が行われた.下門君,中西君については,当日参加できなかったため,預かった資料の紹介を白瀬教授から行われた.いずれの報告でも,国際会議の雰囲気を伝えるための工夫があり,また,学部・修士と努力することにより国際会議での発表のチャンスをつかめる,という点が強調されていた.学生生活を楽しみながら,弛まぬ努力を,という先輩学生たちからのメッセージであった.(M56 西田)


学生自主活動支援金贈呈

最後に学生自主活動支援金贈呈が行われた.機械クラブ冨田会長から学生フォーミュラチーム(FORTEK)およびレスキューロボットチーム(六甲おろし)に対して,支援金が贈呈された. 各代表からは皆様の期待に応えられるよう,より一層の努力を重ねるとの抱負を語っていただいた.(M56 西田) (写真左:学生フォーミュラチーム,右:レスキューロボットチーム)