平成30年度機械クラブ 六甲祭協賛講演会(報告)
 開催年月日 : 平成30年11月10日(土)10:00-11:50       
開催場所 : 神戸大学 六甲台 第2学舎161 

恒例の六甲祭協賛講演会が開催されました.講演会は六甲台本館第2学舎で行われました.例年通り,妻屋彰准教授の講演会に加えて,学生の自主活動であるレスキューロボットおよび学生フォーミュラの活動報告がありました.

                 
◆講演会…「機械工学先進研究」紹介 (司会:白瀬 敬一 教授)
○講演題目:設計情報・設計知識のマネジメント
(設計情報・設計意図の共有のための表現とその利用)
○講  師: 妻屋 彰 准教授
講演内容
 妻屋彰准教授が現在取り組まれている設計情報・設計知識を共有するための表現方法とそれを利用した設計支援手法の最新の研究について,ご講演をいただいた.
 まず,現在の製造業の状況について,ご説明いただいた.ものづくりは「量の供給」から「質の供給」へと状況が変化しており,それに対応するためには,設計期間の短縮や協調設計が必要となっていることをご説明いただいた.次に,現状のCAD,CAM,CAEについてご説明いただき,これからの設計に要求される事項を併せてご紹介いただいた.これからの設計には,設計のノウハウの伝承や設計者間の相互理解が必要であることをご説明いただいた.
 続いて,設計意図研究についてご紹介いただいた.設計意図は設計中,再利用時,製品ライフ全体に対して,共有する必要があり,その方法は大きく2つある.1つめは,モデルベースによるものであり,設計の合理性を説明するモデルを構築するものである.2つめは,設計プロセスベースによるものであり,複数案の比較検討によるプロセスを設計の合理性の根拠とするものである.最後に,自身が取り組まれている設計者の意図を反映するCAD統合モデルアーキテクチャについてご紹介いただいた.CADモデルを変更するときにその意図を含めて,記述されたものを蓄積するシステムを,具体例を示してご紹介いただいた.
 ご講演の後の質疑応答では聴講された方々から産業機械の寿命は10年程度のため,10年経つとCAD側の作り方が変わってしまい,次の製品への情報の劣化に関する質問があった.過去の設計に関する過ちを何度も繰り返さないように支援できるよう取り組んでいることが回答された.(M56 西田)

◆「学生の自主活動」報告 (司会:白瀬 敬一 教授)
◇ロボット研究会チーム(報告者:峰 和志)
 神戸大学ロボット研究会「六甲おろし」は2018年6月24日に神戸ポートオアシスで開催された第18回レスキューロボットコンテストに出場しました。
 ロボットの製作が遅れてしまい予選敗退という結果になってしまった前回の第17回大会の反省から、今回の大会に向けてのコンセプトは「確実な救助」としました。このコンセプトは前回のように時間が足りなくなってしまわないようためにロボットの製作に余裕をもって行うことと、早めに製作することで操縦の練習時間を確保し安定した操作ができるようになることを目指したものです。
 1号機「Scorpion」は上下左右前後に動くことのできるアームで瓦礫を撤去する機体で、単純な分操作や組み立てが分かりやすくなっています。2号機「Chameleon」は地面に取り残された要救助者を救助するためのロボットです。救出するためのベルトコンベアは左右それぞれで別に動かすことができ、ベルトコンベアのみで要救助者の体の向きを変更することができます。3号機「Giraffe」は家形の瓦礫の中に取り残された要救助者を救助するためのロボットで、フレキシブルラックを使用することでベルトコンベアを地形に合わせて動かすことができます。4号機「Meerkat」は小型のロボットで直接救助は行なえませんがカメラの映像や瓦礫撤去の補助などで支援ができます。
 大会結果としては残念ながら予選敗退となってしまいました。人数が大きく減ってしまった中で機体の製作はある程度余裕を持つことができましたが、プログラミングに関しては一から勉強することになってしまったために予定も満足に立てられず一台を動かすことしかできませんでした。
 最後に、日頃より私たち六甲おろしの活動にご理解、ご支援いただいておりますKTC機械クラブの皆様に厚く感謝を申し上げます。来年度はより安定した救助ができるよう精進しますので、これからも温かいご声援をお願いいたします。

◇学生フォーミュラチーム(報告者:篠原 諒)
 神戸大学学生フォーミュラチームFORTEKは2018年9月上旬に開催されました全日本学生フォーミュラ大会に参戦しましたので、その結果をご報告いたします。
 学生フォーミュラは1981年に"Formula SAE?"としてアメリカで初開催されました。日本でも、"ものづくり、デザインコンペティション"というスローガンを掲げ、毎年9月初頭に2003年から自動車技術会主催のもと全日本学生フォーミュラ大会が開催されており、今年度の日本大会では92校がエントリー致しました。弊チームは第2回大会から毎年参加し、2016年に過去最高順位8位を記録しております。
 今年度のプロジェクトについてですが、設計に十分な時間を設け'速さ'のために車両を一から見直すことで、目標である総合順位6位の達成を目指しました。2018年度車両のコンセプトは"軽量化・大ダウンフォース日による限界性能の向上、脱出性能のブラッシュアップ、操作性との両立"としました。これは、十分に設計に時間を設けることで、昨年度車両で考慮されていなかった動的性能の向上、各コンポーネントを見直すことによる軽量化を行うことで'速さ'を追求しました。
 今年度大会は台風の影響により当初の予定より半日遅れでスタートいたしました。
 動的審査に参加するためには車検に合格することが必須となります。また、後々に控えている動的審査や静的審査に向けた準備時間を確保するためにも1回目の車検を通過することが重要となりました。大学出発前に念入りに車検対策をしていたことが功を奏し無事1回で車検を通過することができました。
 マシンの設計プロセスについて審査する(デザイン審査)、マシンの製作コストを正確に計上する競技(コスト審査)、マシンの販売戦略をプレゼンテーションする競技(プレゼンテーション審査)の3つで構成される静的競技では、昨年度それぞれの競技に参加したメンバーが大半を占めていたため安定して得点を積み上げることができました。特に、プレゼンテーション審査では昨年度の3位からさらに順位を上げ、チーム初の1位を獲得することができました。
 実際に車両を走らせる動的種目のうち加速力を競う競技(アクセラレーション)、旋回性能を競う競技(スキットパット)、コース走のタイムを競う競技(オートクロス)の動的競技3種目には走行枠が3日目の午後と4日目の午前にそれぞれ用意されていました。4日目の走行枠では降雨が予想されていたことから、雨の降っていない3日目の走行枠でファーストドライバーを出走させて確実にタイムを残しました。3種目それぞれ昨年度からのタイム向上が見られ、自分たちの設計の正しさを確認することができました。
 動的種目の中でも最も大きな配点を持つ耐久走行(エンデュランス)では、オートクロスのタイム上位の枠で走行いたしました。20周問題なく走行できたものの、走行途中の降雨によりタイムを大きく落とし、不運な形でタイムを落としてしまう結果となってしまいました。
 最終的に今年度の総合成績は総合11位という結果に終わりました。エンデュランス走行前には、暫定順位総合6位につけていただけに総合11位は非常に悔しい結果となってしまいました。2019年度はこの悔しさをばねに表彰台圏内6位以上を目指します。
 最後に、多大なるご支援を頂いております機械クラブの皆様にチーム一同からお礼申し上げます。今後とも私たち神戸大学学生フォーミュラチームFORTEKをよろしくお願いします。