平成30年度機械クラブ 「若手研究者は今」
講演会(報告)
 開催年月日 : 平成30年12月8日(土) 15:00-16:00       
開催場所 : 工学部5W-301 

◆講演:人間の生活環境で可能な自律ロボットの実現に向けて
            (講師:神戸大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 田崎 勇一准教授)
講演内容
 レスキューロボットやサービスロボットなどの分野において,人間の生活環境に入って安全かつ自律的に活動できるロボットに対する需要が高まっている.本講演では,田崎先生が取り組まれている三次元レーザ測域センサを搭載した自律移動ロボットによる地図生成や屋外自律走行に関する研究や,二足歩行ロボットの歩行軌道生成や転倒回避制御などに関する最新の研究成果をご紹介いただいた.
 まず,人型ロボット・自律移動ロボットの現状について,ご説明いただいた.人型ロボットや自律移動ロボットは,サービス分野,施設点検や重労働代行として,多く使われている.
 次に,田崎先生が取り組まれている研究トピック2つご紹介いただいた.1つめは,歩行軌道生成と転倒回避制御に関する研究をご紹介いただいた.この研究は,重心動力学によって,着地位置と重心・圧力中心の軌道を自動的に生成できる内容である.転倒は重心が意図と異なる速度を持つことにより生じ,どの位置に足を何歩着けば重心を静止できるかを制御するものである.2つめは,自律移動ロボットによる地図生成と自己位置推定に関する研究をご紹介いただいた.三次元測域センサを用いて,大量のデータをリアルタイムで処理する必要があり,近接点を用いてデータ量を削減する方法をご紹介いただいた.最後に,田崎先生が参加された「つくばチャレンジ2018」のご紹介と自身のロボットによる自動走行の結果についてご説明いただいた.
 ご講演の後の質疑応答では聴講された方々から多くの質問があり,活発な議論が行われた.人の転倒回避とロボットの転倒回避との違いや,二足歩行ロボットの他の研究機関の状況などに関する質問があり,活発な議論が行われた.(M56 西田)