「平成30年度 神戸大学機械クラブ総会・講演会」報告

開催日時: 平成31年3月26日(火)16:00〜18:30
開催場所: 兵庫県私学会館101号室
出席者 : 総会31名

【1】総 会       16:00〜17:15
 1.黙とう(谷総務部会長)
  総会開会に先だって、昨年の総会以降お亡くなりになられた12名の会員の皆様のご冥福をお祈り黙祷を捧げた。
 
 2.会長挨拶(平田会長)
    議事に先立ち、平田会長より挨拶があった。
 はじめに、本総会への会員の皆様のご出席への感謝が述べられ、平成最後の総会を迎えることとなった。昨年の総会で会長に就任して以来あっという間に1年が経過した。予定通りのすべての行事を計画通り実施できたのは、各会員と各部会の皆様とのご協力の賜物です。課題としては、歴代の会長が唱えられましたように、クラブの活性化が最大の課題です。機械クラブだよりなどの広報活動や、クラス会の充実支援のお手伝いが必要です。それとクラブ活動の原資となる財政の健全化が急務です。多くの会員の方に呼び掛けていただき、一人でも多くの会費の納入をお願いしたい。
 3.議長選出(谷総務部会長)
  恒例により総会の議長を平田会長に委嘱したいとの提案があり、全会一致で承認され議事に入った。
 【第1号議案】
  資料にもとづき平成30年度活動実績及び平成31年度活動計画を谷総務部会長より一括して報告、提案。
  • 総務・HP部会
    レスキューロボ、学生フォーミュラ両チームに対して、先輩は語る講演会にて支援金を贈呈する。
    メールアドレス登録率向上についても、継続して行う。
  • 財務部会:会計報告、予算提案の項に記載
  • 機関紙部会
    計画通り機関紙、機械クラブだより14号、15号発行。来年度も引き続き活動する。
  • 講演会部会
    先輩は語る(4月)、六甲祭協賛講演会(11月)、若手研究者は今(12月)を開催。
    来年度も先輩は語る(4月)、六甲祭協賛講演会(11月)、若手研究者は今(12月)、は第2回理事会併催予定。先輩は語るについて4月開催。
  • 見学会部会
    31年度も9月にて予定。現役の参加を促進するため土曜日にて検討中。
  • 会員親睦部会
    3回の実績(170,171,172回)。31年度は3回の予定。
  • 座談会部会
    第6回基幹座談会開催。計10数名。技術者生活を語る座談会開催。学生26名参加。
    4年目を迎えた。31年度も基幹座談会(5月)、技術者生活を語る座談会(10月)
  • クラブ精密
    31回総会は6月に開催、見学会と親睦会を行った(13名参加)。来年度は第32回総会開催を秋ごろに計画する。詳細は関係者で協議する。
  • 東京支部
    東京支部総会にて浅野 等先生よりISSおける宇宙空間での実験について講演をいただいた。
    見学会はKTC東京支部と共催で「ヤマト運輸羽田クロノゲート」を見学。参加者22名、来年度も同様の会を計画する。
以上の事項について全会一致で承認された。
 
 【2号議案】平成30年会計報告(副島財務部会長) 会計監査報告(國光監事)
 
  • 617名前提の予算に対し、実際は475名の会員会費収入であった。
  • 支出はマイナス目で推移。収入減○、支出減△で合算では次期繰越金が予算比5万円増加。
     
  • 会計監査報告
    1月18日会計締め、27日に関係書類・帳簿の監査を行い、正確かつ適切であることが確認された。
本件は全会一致で承認された。
 
 【3号議案】
 資料にもとづき平成31年度機械クラブ組織について平田会長より提案があった。
主な変更 特別会員代表 田中克志専攻長から神野伊策新専攻長に交代(4月1日付)
 
本件は全会一致で承認された。
 
 【4号議案】平成31年度機械クラブ予算について(副島財務部会長)
 
  • 年会費納入者の増加があまり期待できないので、目標600名(平成30年に対し125名増加)を見込み予算を組んだ。
  • 機関紙への機械クラブだより同封のお知らせ。
  • 支出は30年度並み、予備費(東京支部総会への教員招聘)
  • 財務部会長より会費納入に当たっては手数料節約のためATMを利用するよう要請があった。
本件は全会一致で承認された。
 
 4.各種表彰の紹介(平田会長)
 
  • 機械クラブ賞  :1名
  • KTC理事長賞 :1名
  • 機械クラブ会長賞:1名
  • 機械クラブ国際活動
         奨励賞:6名
浅野 等氏
合田 頼人君
第十 祐幹君
金子 和暉君
温井 悠平君
林 秀明君
干場 太一君
森下 喜一君
中瀬 博之君
(機械工学専攻 教授)
(大学院後期課程1年)
(大学院前期課程2年)
(大学院後期課程1年)
(大学院前期課程2年)
(大学院前期課程2年)
(大学院前期課程2年)
(大学院前期課程2年)
(大学院前期課程1年)
 以上9名の紹介。表彰は懇親会にて行った。
 
 5.KTC活動報告(西下理事)
 
  • 186回企画委員会、第3回理事会に基づき報告された
    入会金値上げ・寄付金の減少に対し、起業賛助金(セミナー)増で補っている状況
    支出は研究セミナー増のため、特定資産取り崩しで対応
  • 活動・支援内容の見直し
    学生活動に加えて、学生表彰・学術交流外国学生受け入れ、海外インターンシップ学生派遣等への使途増大の検討
  • 31年度総会(5月)、代議員選挙の予定
  • 株式会社 アントレプレナーシップへの設立に支援。
  • 入学予定者・保護者向けオリエンテーション
    従来学生来校に対し、郵送での手続きに変更。入会減少の可能性があるのでオリエンテーションにてPR。

 6.機械工学専攻の近況(田中専攻長)
 
  1. 3講座制から 4講座制(熱流体、材料物性、システム設計、先端機能創成学)へ移行する。
    各講座 教授、准教授、助教 各1名の体制が整いつつある。
  2. クオーター制について、開始から4年目を迎え、最初の学年が4年生になって完成する。
    やりにくかったことを反省し、今後に生かす議論をする。
  3. 文部科学省から「データサイエンスを教えなさい」という指導があり、データサイエンス教育についても注力する。(一昔前のマルチメジャー相当)
  4. 研究センターが種々設立されており、専攻を縦串、センターを横串にした横断型の組織を作ることを目指す。
  5. 企業とも協業し、IMD(Industrial Master Doctor)という一貫教育のシステムを立ち上げる。企業の再教育受け入れ、マスターへの奨学金、教育にも携わっていただく、といったシステムを考えている。
  6. SDGsについては、機械工学に関連する項目として、
    すべての人に健康と福祉を
    エネルギーをみんなにそしてクリーンに、産業と技術革新の基盤を作ろう、住み続けられるまちづくりを
    あたりが該当すると思うので、研究の方針の参考にしたい。
  7. 平成30年度の間接経費獲得額は32.2百万円となり、運営交付金24百万円を上回った結果となった。
  8. 平成30年度の教員受賞は6件、学生の受賞は19件の実績。
  9. フォーミュラ、レスキューロボットともがんばっているが、後者は新たな入部者も少なく、活性化が必要。

 7.閉会宣言(谷総務部会長)
 
【2】記念講演会       17:20〜18:20
 講演者:安達 泰治氏(M㊳)
    京都大学ウイルス・再生医科学研究所 教授

演 題:『生体組織・器官の形づくりのバイオメカニクス』

  <講演概要>
  1. 概要:バイオ研究に関して力学の分野から研究されている内容。
    ウイルス・再生医科学研究所は、京都大学吉田キャンパスの南西地区にあり、iPS細胞研究所などの生命医科学関連研究所、薬学研究科、医学研究科や大学病院などの集まる一角にある。
    1998年、再生医科学研究所とウイルス研究所が統合し設立された。医工学、医学、生命科学分野の研究者が集まる。
    安達教授は1990年M1講座卒。以下の研究は、冨田先生と共同で研究した内容も含まれている。
     
  2. 力学アプローチの骨の考察
    • 骨の表面に、骨を削る、骨を造る細胞があり、メンテナンスをしている。硬い骨の中に細いトンネルがあって、同様の細胞がいる。さらに、メカノセンサー細胞(力を感じるセンサー)がネットワークを作っている、と考えている。
    • 宇宙空間のように、重力がないと、骨は細くなる。
    • 大腿骨の内部には海綿構造があり、断面では直交曲線の主応力線に見えることが150年前に知られていた。この構造パターンの分析に取り組んだ。
    • メカノセンサー細胞により微細な骨の表面に力学情報が集められたとして、周りの平均値との引き算を計算して、これを横軸、それによる骨の増減を縦軸の2パラメータで表現してみた。
    • それを時間、空間の2つのパラメータで表現、シミュレーションすると、海綿骨構造が計算できた。
    • そのメカニズムとして、100〜200ナノメータのセンサーがネットワークを作っていると考えた。
    • 細胞のコミュニケーション等も観察してみた。
    • 現在、幹細胞から、骨の細胞を誘導することを実験室で観察している。
       
  3. 臓器の形ができていくプロセス
    • 折り紙から鶴を作るプロセスのようなもの。似ているところと似ていないところがある。
    • 細胞のシートの変形について、収縮する力、圧縮する力の二つがあると考えると説明できる。
    • 2010年頃、ES細胞を用いた組織の形態形成研究が始められた。チューブ下で細胞のおにぎり状の塊を創り、さらにそれをゲルに埋め込むとビーチボール状になる。しばらくすると、不均一な変形が生じて小胞・突起ができ、さらにおいておくと、突起がへこむ現象が観察できた。
    • これを力学的に説明してみた。@緩和、A角部の局所収縮、B細胞増殖が順番に起これば説明できると考えて、シミュレーションをすると、説明ができた。
    • @〜Bのプロセスの順番、時間を巧みに組み合わせると、折り鶴のように、形態の形成ができる。
    • その順番や時間が違うと、答えも千差万別となる
       
  4. 質疑
    1. Q:エントロピーが大きくなるように動いているのか?
      A:バネ自身は単なるエントロピックなバネのようにふるまうが、変形によって、別の分子
        をくっつける機能を持っている。かかる力は、隣の細胞からの外力を想定して説明して
        いる。
    2. Q:プロセスの順番、時間の情報は遺伝子情報なのか?
      A:試行錯誤で消えるパスがあり、進化の結果として残ったもの、という考え方となる。
    3. Q:地球の重力が存在しない状況では成立しないのか?
      A:長い時間で、適用するプロセスが成立するのを待つことになる、という考え方。
        人がいなくても仕組みがあるのがサイエンス。
        人がいて触ってみて操作するのがエンジニアリングと考えている。
    以上