白陵寮歌
「白陵寮歌」は叶_戸学術事業会の許可を得て
「神戸大学愛唱歌集」JASRAC R-0781131
より転載しました。


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−宣誓−
先人に力強く営める白陵の起伏にも
滔々として流れをなせる時運の歩みにも
若人が真情の流露は凝って一連の歌草となり
その清にして純なるその簡にして勁なる
以って痴人の蒙を啓すべく
以って燸者をして立たしむべし
されば春の朝高く吟ずる時は 高調乱舞の調べとなり
冬の夕べ低く奏するときは 哀愁悲調の曲といで
げにうら若き口辺を飾るに足らむ 我等にして若き誇りを思うとき
などて寮歌を愛せざるを得べけんや 友よ!
よしなきことを嘆く暇だにあらば 高欄によりて青春の一刻
しばし憂いを捨てよかし いざ歌わんかな我等が寮歌を

あゝ白陵の春の宵
惜春の譜の流れ来て
寮の灯びおののけば
さびれを慕ふ男の子等が
若き血潮のおどるかな


潔きをさとす白鷺城
月光斜に照り添いて
高き理想に燃ゆる時
情熱の子等は乱舞する
享楽の心ゆくままに


血に鳴く杜鵑一過して
残人の月の影さびし
懐郷の歌口ずさむ
集いし男の子の胸の中
三年の契りいや深し

夕さりくれば六寮の
窓はに近くしのによる
神秘の闇の深くして
永劫とけぬ春愁は
涙のゆめさそふなり


永遠に栄ある白寮の
まことを求むるはらからが
まどひの夢のうつりゆく
杳靄香る丘の日は
散りくる花にくるるなり