<平成17年度KTC機械クラブ>
「若手研究者は今」講演会(報告)
 開催年月日 : 平成17年12月17日(土) 15:00-17:00 
 開 催 場 所  : 工学部C3-302講義室 

非常に冷えこんだ寒い1日でしたが,20数名の卒業生ならびに教職員が参加して講演会が行われました。 また,講演会終了後は神戸の夜景を見下ろしながら和やかな雰囲気で懇親会が開催されました。


◆講演T:水面孤立波と界面孤立波の線形安定性
            (講師:片岡 武 助教授)

講演要旨: 水面孤立波と二層流体中を伝播する界面孤立波の線形安定性を,粘性を無視した流体の振舞い を支配する方程式系(Euler方程式系)を基に調べた結果を講演する。
まずは水面孤立波をとりあげる。最大波高が水深の0.781よりも小さいとき,進行方向に安定 (孤立波の進行方向のみに依る撹乱に対して安定)であるが,0.713よりも大きいと,横方向 に不安定(孤立波の峰方向にも依る撹乱に対しては不安定)であることを示す。
ついで界面孤立波をとりあげる。進行方向の安定性を調べ,孤立波のエネルギーが最大波高の 関数として頭打ちとなるときに安定性交換が起きることを理論的に示す。この結果を幾つかの 具体的な孤立波解に適用し,その安定性の特徴を述べる。

 

◆講演U.自動車の運動性能向 上のための制御技術
            (講師:深尾 隆則 助教授)

講演要旨: 自動車の運動性能向上のために制御理論を適用する研究が盛んに行われている。特に,アクティブ 制御と呼ばれる制御手法により,従来には達成できなかった性能が達成出来るようになってきた。 本講演では,ステアリング・ブレーキ・サスペンションといった車両運動の基本的なシステムに, 線形制御理論や非線形制御理論を車両の特性に適合するような形で用いることにより性能向上が可 能であることを最近の研究を通じて紹介する。