<平成28年度機械クラブ>
「若手研究者は今」講演会(報告)
 開催年月日 : 平成28年12月10日(土) 15:00-16:00 
 開 催 場 所  : 工学部C4-402大会議室 

肥田 博隆 准教授を講師に迎えて、恒例の「若手研究者は今」講演会が開催されました。 また、講演会終了後は工学会館 多目的ホールで親睦会が開催されました。

◆講演:マイクロマシンに「根差す」-工学と植物学との融合に向けて-
            (講師:神戸大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 肥田 博隆 准教授)
講演要旨
肥田先生が現在取り組まれているマイクロマシン(MEMS)と植物学との融合にについてご講演をいただいた.マイクロマシン(MEMS)は,自動車・携帯機器に搭載されているモーションセンサや,高精度・高効率なガン細胞分析チップなど,私たちの生活にとって今や必要不可欠な要素となっている.一方で,植物学への応用は今なお黎明期にあり,今後,農業や自然科学への展開が期待されている.本講演では,MEMSと植物学との融合に向けた取り組みの具体例として「根の成長分析に基づく植物生育モニタリング」など,最新の成果をご紹介いただいた.

まず,マイクロマシン(MEMS)における最新の研究動向と肥田先生がマイクロマシン(MEMS)と植物学との融合に着眼した経緯をご説明いただいた.肥田先生の面白いと思ったことへの探求心が強く伝わる内容だった.その後,マイクロマシン(MEMS)を用いた植物生育モニタリングについて,実際に実現されたシステムのご紹介も含めて,ご説明いただいた.植物の根の生育時の推進力を測定する装置を開発され,実際に力が測定されている様子を撮影した映像は貴重なものだった.

ご講演の後の質疑応答では聴講された方々から多くの質問があり,活発な議論が行われた.マイクロマシン(MEMS)を用いた植物生育モニタリングが食糧難など多くの問題を抱えている社会に与える可能性について,深く議論された. 我々が普段の生活では見ることのできないMicroな世界での現象を分析する研究は非常に興味深いものだった.(M56 西田)