06月29日 2024年度 第10回基幹座談会 報告

国際液化水素サプライチェーン構築への取り組み

2024年7月17日
機械クラブ 座談会部会
会長 井宮 敬悟

日 時
 2024年6月29日(土)
 13:30~17:30
場 所
 神戸大学工学部 5W-301講義室
開催方法
 対面式+Zoom方式のハイブリッド方式
参加者
 対面:19名、Zoom:9名、計28名
懇親会
 参加者 17名 
(工学会館2階コモンズスクエアにて)

話題提供者
(M32) 井上健司
  1984年 学部卒
  1986年 修士課程修了
  1986年 川崎重工業株式会社に就職

第10回基幹座談会は、昨年同様対面式とZoomでのハイブリッド方式を採用し、昨年以上にたくさんの方にご参加していただき、一つの話題に対して出席者の皆さんと意見交換していただきました。

話題提供として、井上様より「国際液化水素サプライチェーン構築への取り組み」と題した話題を提供していただきました。

  昨年、日本政府による水素基本戦略が改定され2040年には1200万トン/年の水素導入目標が 掲げられるなど、脱炭素社会への切り札として水素エネルギーへの関心が国内外で高まっています。一方、UAEドバイで開催されたCOP28ではCOP21の目標に対する進捗状況について深刻な懸念が示され、脱炭素への具体的な行動は予断を許さない状況です。 

水素はエネルギーの長期保存・長距離輸送を可能にし、利用時にCO2を排出しない究極のクリーンエネルギーです。

川崎重工は、水素を「つくる」「はこぶ・ためる」「つかう」のサプライチェーンの上流から下流に至るすべての技術開発を進めており、水素社会の早期実現を目指して、2020年には国際水素サプライチェーンの構築に向けたパイロット実証(技術実証)を開始し、世界初となる液化水素の海上輸送や船陸間荷役の実証を進められ、技術開発要素が多い褐炭からの水素製造、液化水素の長距離海上輸送、および船舶・ ターミナル間の液化水素の荷役(積荷/揚荷)に関する技術の構築し、現在、2030年以降の商用化フェーズに向け、グリーンイノベーション基金による商用化実証に取り組み、液化水素運搬船、液化水素基地などの大型化や各機器の効率化をポイントとした液化水素サプライチェーンの社会実装に向けた技術開発・実証にも取り組んでおられます。また、神戸ポートアイランドに建設された神戸水素 CGS(コージェネレーションシステム)実証設備についても、NEDO の助成事業として、水素100%燃料を使用して市街地に電力と熱(蒸気)を供給する世界でも類を見ない取り組みをされているとご紹介いただきました。

Zoomでの参加者も合わせて参加者全員で意見交換し、時間切れになるほど盛り上がりましたし、参加された皆さんから寄せられたアンケートでも、提供した話題も最近注目の話題で出席して本当によかったと高評価いただきました。

しかし、講演中のマイクの音質が今一つで、Zoomで出席された方からは、聞き取りにくかった、音声がクリアに聞こえなかった点があった、とのご指摘もありましたので、改善していきたいと思います。

座談会終了後、会場を工学会館2階に移し、話題提供者を囲んで簡単な親睦会を行い、短い時間でしたが、座談会では話せなかったいろいろな苦労話や、参加された皆さんからも川崎重工業(株)の「つくる」「はこぶ・ためる」「つかう」という水素エネルギーに関わる一連の技術開発の動向についての話を元に、忌憚のない意見交換ができ大いに盛り上がり、大変楽しい時間を過ごすことができました。

今回の基幹座談会で、ハイブリッド方式は3回目になりました。講演後の質疑応答で聞き取れない部分があったりしたこともありましたが、無事終えることができましたことは、ひとえに対面式とZoomでのご出席の皆様方並びに関係各位の熱意とご尽力の賜物と感謝いたしております。

今後も座談会部会の活動に多数の方に参加していただけるように、ハイブリッド方式を継続してまいります。本当にありがとうございました。

Zoom画面(上段より)
  西尾、永島、中野、常次、谷、大倉、天野

(後列)
  小村、堀内、松田、田中、坂口
  平井、大林、高倉、林

(前列) 
  森本、野崎、西脇、酒井、井上
  山岡、白瀬、小嶋、浅野、井宮

以上

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